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ハートを和紙掴み [もろもろ]

平成二十九年十二月二十九日

学生時代のお話です。
先輩が授業の研修だかで越前和紙だったかな?和紙工房の見学に行ったら、
手漉き和紙の見本を何枚かお土産に貰ったとかで、私に見せてくれたんですよ。

木の葉や木くずをすき込んだ、渋くて素敵な和紙だったんです。
そういうのが結構好きだった私は「わぁ〜素敵ですねぇ綺麗ですねぇ〜。」と
素直に見惚れてたら、「よかったらあげようか?」と先輩が言ってくれたんです。
そりゃもう私、大喜びですよ!!
「いいんですか?!ほんとに?!うわー嬉しい有難うございますー!!」って大感激。
先輩、「そんなに喜ぶと思わなかった…。」って、びっくりしてました。
実は私にくれる前にも、当時高校生の妹さんにあげようとしたら、
「そんな汚い真っ黒けの紙なんか要らん!!」と突っ返されたんだそうです。
それを聞いて私もびっくりしました。
こんな素敵な手漉き和紙も、興味ない人にはただの汚い紙にしか見えないんだ?!って、
目から鱗の思いでした。
人には人それぞれの価値観があるって思い知らされた出来事でしたわ。

本棚の整理してたら、昔作ったコピー本の同人誌が目に留まりました。
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奥付けを見たら平成三年製、商業誌デビュー前です。
表紙は和紙のコピー用紙、背表紙は金彩入りの揉み和紙、
本文は袋折で、赤いレース糸で和綴じ製本しました。
勿論一冊ずつ手作りで、よくまあこんな手間のかかる事してたもんです。
商業誌で描かせて頂くようになってから、
いつか和紙を使った単行本が出せたらいいのにな〜なんて、
儚い妄想を抱いてたもんですけどね。

でも今って、和綴じ本も同人誌の印刷所で製本して貰えるんですってね!!
試しに調べて、さすがにびっくりしました。もの凄く手間がかかるのにー?!
時代の変遷の凄さに、久々に打ちのめされた一件でしたわ〜。

まあそんなわけで、時流にすっかり置き去りにされてる感を強めた年末ですが、
お陰様で何とか今年も無事に過ごす事が出来ました。
本年もお世話になりまして誠に有難うございました。
どうぞ皆様良いお年を…。
年明けに、またご挨拶申し上げます。
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(C) 池部ハナコ IKEBE, Hanako   
池部ハナ子

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