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お囃子はお生やし [旅と風物 物見遊山]

平成19年5月19日(土)

伊勢神宮内宮の目と鼻の先、猿田彦神社の御田祭(おみた)にも行って来ました。
田植神事と言えば、内宮別宮の伊雑宮の勇壮な祭が有名ですね。
こちらのお祭はとても穏やかでのんびりとしたものでした。

神饌。神様へのお供物です。左に土器に載せられた玉苗。

玉苗を捧げ渡す役目をつとめる八人の八乙女(やおとめ)たち。
北斗七星を連想してしまったけど、関連あるのかな。
元は八星の乙女達だったのが、一人が地に落ちて豊穣神となり、
七星になったという伝承があるそうな。
田の面に映る薄物の衵(あこめ)姿の涼し気な事。

位置について〜よーい、どん。
キツい田植えも田楽囃子にのせればはかどります。
両の畦には苗を投げ、糸を渡して間隔を計る人がいます。
有事を共同で支え合う連帯精神が忍ばれる反面、
個にこだわれば生き延びられなかった時代の厳しさも忍ばれます。
大変だったんだろうなぁ…。

しかし玉苗の容れ物は これでええのかー。

植え終わった田んぼで団扇角力(すもう)。ぱたぱた扇ぐだけ。
切れ端を手に入れるとお守りになるという団扇のむしり合いは、
神事の最後に拝殿前であります。
さすがに激しくて一瞬で終わっちゃったので、写真撮れませんでした(笑)。

お疲れ様でした。植方のお姉様方。

ところでこちらの猿田彦神社は、大好きな日本画家の一人、
伊藤小坡(しょうは)の生家でもあります。
物静かで落ち着いた画風ながら、
「形名(かたな)の妻」「伊賀の局」などを画題に選ぶ辺り、
気丈で自立した考えの女性だったんじゃなかろうかと思ってしまいます。
種族を残す為なら男を踏み越えてでも前に進もうとするような、
生物的な母性本能が垣間見えて恐しくさえあります。
でも描かれた女性像は、いずれも由紀さおり似のほんわりした優しい面差しで、
不思議に心があったかくなります。

すぐ近くに小さくて可愛らしい小坡美術館があります。
入館者があると慌てて照明つけるようなのんびり具合が微笑ましい美術館です。


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(C) 池部ハナコ IKEBE, Hanako   
池部ハナ子

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