いちしのはな [うんちく]
平成17年9月26日(月)
近所の公園で彼岸花が見頃というので見に行きました。
まだ満開には少し早かったのか、つぼみが多かったです。
以前行った高麗(こま)の巾着田(きんちゃくだ)の迫力には及ばなかったけれど、それでも可愛い紅い花の姿が見られて嬉しかったです。好きなんですよね、彼岸花。
この彼岸花について、最近とある情報を知りました。
昔の文献に出てくる植物の名前が、現代ではどの植物をさすのか判らないことはよくあるそうなんですが、万葉集の下記の歌に出てくる「いちしの花」というのが、実は彼岸花のことじゃないかという説があるそうです。
路(みち)の辺(べ)の壹師(いちし)の花の灼然(いちしろ)く人皆知りぬ我(あ)が恋女麗(こひづま)は
柿本人麿(巻十一・二四八〇)※「女麗」は女へんに麗。変換不可能。
手許の古語辞典を見ると「いちし」とはエゴノキか?とか何とか書いてあり、とにかく何か質素で白い花をつける植物だろうということらしいですが…。
でもねえ・・・。個人的な希望としては、この歌の「いちしの花」はやっぱり真っ赤な彼岸花であって欲しいな。
仏教思想も儒教思想も浸透していない時代の、直情過ぎる日本人の気性を思うと。
高麗の巾着田(埼玉県日高市)の彼岸花↑
デジカメが不調で公園の彼岸花が上手く撮れなかったので、
数年前に行った巾着田の一面の彼岸花の写真をどうぞ。
池部ハナ子