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キモノノーパン伝説の謎 [人形装束と着物]

平成19年1月7日(日)

新年早々はしたないタイトルで失礼します。
もう随分昔の事ですが、TVの深夜番組で、成人の日に振袖姿のお嬢さん捕まえては
「パンツはいてますか?」って聞いて回ってるのを見た事がありまして。
…そんなの、はいてるって答えるに決まってるじゃないですか。
一生に一度の記念すべき日に、なんちゅう失敬な事を聞き回っとるんじゃい、
と、呆れ返った記憶があります。
まぁ、そんなアホ番組見ていた私も私なんですけどね…。

確かに、昔の女性は着物の下にパンツははいていませんでした。
でも決して下着を何も着けていなかったと言うわけではないんですね。
いわゆる「湯文字(ゆもじ)」とか「二幅(ふたの)」とか呼ばれる膝丈くらいの腰巻。
それが下着だったんですって。

この湯文字、今でも愛用している人の話によると、とても使い勝手が良い物だそうです。
ちょっと装着にコツがいるそうなんですが、お手洗いの都合を抜きにしても、
補整とガードルの機能まで果たしてくれる優れものだそうです。
廃れてしまったのは白木屋の火事以降と言うのが通説になってますけど、
逆に、なんでそんな時代にそんな事になるまで廃れなかったんでしょう?
私にとってはその事の方が疑問だったんですよね。いくら使い勝手が良いにしても。

そうしたら、どうやらそれは古い民間信仰に繋がってるらしいんですよ。
今でも言いますよね、寝転んでる人の上を跨ぐとその人の背が伸びないとか、
運気が下がるとかいう俗信。
古い習俗としては、床下に胞衣(えな)を埋めるとか、
胞衣を最初に跨いだ者をその子は一生恐れるようになるから、
まずは父親が跨ぐようにするとか。
関連するものとして、花嫁が婚家に入る時には
戸口の前に置かれた焚き火や赤い布を跨いで入るとか…。

つまりは、大地の霊力をお股から取り込む為なんだそうです。
…お股、恐るべし。

実は、元は男女共々そうだったらしいんだそうですよ、ノーパン。
後に男性は成人の証として褌(ふんどし)を締めるようになったけど、
女性は出産の都合なんかもあって、後々までそういう習俗が残ったのかも知れませんね。
かつて妊産婦を土間のむしろに隔離したりしたのも、元は穢れの為ではなく、
より大地に近い所でその霊力の助けを得易くする為だったんですって。

まぁアホなうんちくはこの辺にして、明日は成人の日ですね。
全国的にお天気は荒れ模様らしいとの事で、晴れ着が台無しにならないかと心配ですけど、
それもまた好い思い出になるのかも知れません。なんて、他人事だと思ってスミマセン。
毎年この時季は綺麗な振袖姿が沢山見られるので素直に嬉しいです。

↓今年の七草はサボりました…。


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池部ハナ子

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